Hirofumi Yoshida - 吉田裕史

吉田裕史

吉田裕史:指揮者

東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。ドイツ・イタリアで研鑽を積み、2007年ローマ歌劇場カラカラ浴場野外公演を指揮、2010年1月よりマントヴァ歌劇場音楽監督に就任。

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2008年11月29日 14:33

コレッリ

180px-Corelli.jpg

2曲目にお届けするのは、イタリアバロック中期の巨匠であるコレッリが作曲した、「クリスマス協奏曲」です。

 

アルカンジェロ・コレッリ (Arcangelo Corelli, 1653年2月17日生まれ)作曲、合奏協奏曲作品6より第8番「クリスマス協奏曲」より (Concerti Grossi Op.6-8 "Fatto per la notte di natale")

 

ヴィヴァルディよりも25歳、そしてバッハやヘンデルよりも32歳年上に当たるコレッリは、当時、作曲家としてだけでなく、天才的なヴァイオリン奏者としてもその名を馳せていました。パリ、ミュンヘンで活躍したのち、活動の拠点をローマに移し、主にオットボーニ枢機卿(後のローマ教皇アレクサンデル8世)の下で、首席ヴァイオリン奏者兼楽長として厚遇を受け、落ち着いた環境の中で数々の傑作を生み出しました。


この「クリスマス協奏曲」にはコレッリ自身によって、"Fatto per la notte di natale(主の生誕の夜のために)"という副題がつけられていて、聖書の中の物語を音楽的に"語る"ために欠かせない2つの要素:①天使たちが神を讃えるために歌うシーン、 ②羊飼いたちが牧歌的に笛を吹くシーン、が描かれています。

 

1. コレッリは、13歳からボローニャでヴァイオリンを学び、わずか17歳で当地のアカデミーの正会員に選ばれました。通常、アカデミーへの入会は20歳以上となっていて、コレッリの他に特例として10代で入会を許可されたのは、後にも先にもあの モーツァルト のみ!という快挙でした。


2. 笛、つまりフルートは、管楽器の中でも羊飼いの楽器とされ、その音は"誘惑"を象徴するものとされています。


3. 上述した2つの要素は、西洋音楽、とりわけイタリア音楽において、自然に、そしてまるで当たり前であるかのように現れます。本日、第2部で演奏するプッチーニ、ヴェルディ、そしてヴェリズモ・オペラの中にもそうしたシーンが多々登場します。歴史や伝統は脈々と受け継がれていきますから当然と言えば当然なのですが(笑)。

2008年11月27日 23:59

ppp×ppp?!!

現在、ローマ歌劇場では、12月に上演されるヴェルディ作曲「オテッロ」(シェークスピアのオセロ)のリハーサルが行われています。
指揮はリッカルド・ムーティ。 連日、素晴らしいProva(リハーサル)が繰り広げられていますが、今日のProva italiana(オーケストラ&歌手の合わせ練習)の中でも、とても興味深い指示(言葉)がありました。

オーケストラに最弱音を求める時に、指揮者が使う言葉にはいろいろあります。


例えば:

quasi niente! (クアジ ニエンテ!、ほとんど、"無"で!)

proprio ZERO! (プロープリオ ゼーロ!、まったくゼロ!) 

piano possibile! (ピアーノ ポッスィービレ!、できるだけ小さく!) ecc...(etc...)


今日、マエストロがオーケストラに対して出した指示は、今までに聞いたことのない言葉でした。

pppppp... (ピアニッスィミッスィモ...) ?!?!


皆さんが今までに聞いたことがあるのは、たぶん:

p (ピアーノ)

pp (ピアニッスィモ)

ppp (ピアニッスィスィモ)

などではないでしょうか?


"ピアニッスィミッスィモ!"、マエストロがこの指示を出した時のオーケストラの魅力的な最弱音は何ともいえず美しく、繊細で、、劇場全体が一瞬にして魔法にかかったように、"時間"が止まりました。。

後でイタリア人の友人に聞いたところ、この言葉は、イタリア語としては存在しないけれども、Si capisce..! (理解できる、、!) ということでした。

きっと、オーケストラにとっても、かなり新鮮な表現だったのでしょう!

2008年11月25日 06:50

モンテヴェルディ

Claudio_Monteverdi.jpg

これから数回にわたって、イタリアンクリスマスコンサート(12月23日、紀尾井ホール)で演奏するプログラムについて、その曲目の紹介と解説を連載していきたいと思います。 

 

今回は、ホール側の御好意によりすべてのプログラムを私が監修させていただくことになりました。 そして、このブログの記事は、、なんと、当日のプログラムにも掲載される予定です!

 

コンサートの第1部は、ダリオ・ポニッスィさんのナビゲートによって、イタリア音楽の歴史を御紹介しながら演奏をお楽しみいただくという構成にしてみました。

 

さて、オープニングを飾るのは、世界で最初にオペラを作曲したと言われている モンテヴェルディ(写真)の作曲によるオペラ 「オルフェオ」 より "序曲"です

 

クラウディオ・モンテヴェルディ (Claudio Monteverdi, 1567515日洗礼、クレモナ生まれ)作曲、 オペラ 「オルフェオ」 より "序曲" (L'orfeo "Sinfonia"1607224日、マントヴァにて初演)

 

 16世紀生まれ(今から450年近くも昔!)の作曲家モンテヴェルディは、記録に残っているだけでも18以上ものオペラを書きました。そして、歴史上初めて、楽譜の各声部に"楽器を指定" した作曲家として知られています。(例えば、"フランス風の2つの小さなヴァイオリンで"といったように。)

 

本日、演奏されるこの曲は、オペラ「オルフェオ」の冒頭で演奏される何とも華やかな、まさにコンサートのオープニングを飾るにふさわしいファンファーレ風の曲です。フィレンツェ、ミラノ、ローマ、ヴェネツィアなどの都市を中心に、人類史上最も芸術が花開いた"ルネッサンス"から"バロック"への移行期に書かれ、 "近代オペラ"の出発点ともなった記念碑的作品です。

 

(参考までに・・・)

 

1. "歌舞伎" と "オペラ"、この洋の東西を代表する2つの舞台芸術は、偶然にも、ほぼ同じ時代(1600年頃)に誕生しました!

 

2.    この当時はまだ "オペラ" とは呼ばれずに、"音楽による劇" (dramma per musicaまたは"メロドランマ"と呼ばれていました。

 

3.    現代でも、イタリア語でオペラ(Opera)とは、単に"作品"という意味に過ぎず、リリカ(Lirica)という単語の方が、私たちが通常用いている"オペラ"の意味に用いられます。 またはOpera liricaというように2つの単語をセットで用いることが多いようです。

 

4.    私のいる街、ここローマには世界遺産としても有名な コロッセオ があります。ローマの人たちは、いつの日か、モンテヴェルディ作曲のオペラ ポッペーアの戴冠 (ローマ帝国第5代皇帝 ネロ を題材にした作品)をこのコロッセオで上演することを夢見ているようなのですが、、、貴重な世界遺産のため、市当局や文化財省からの許可がなかなか下りないようです。 いつの日か、この夢が叶うといいですね!

2008年11月21日 04:13

リニューアル!

みなさん、お待たせいたしました!

オフィシャルホームページ&ブログ、同時リニューアルです。


このブログを始めたのは2004年9月でしたので、もう4年以上続けていることになります。
今回は、過去の記事もすべて再アップしてみました! と、言いたかったのですが、どうしても2006年9月から12月までのデータが見つかりませんでした。。 残念! 見つかり次第、アップしたいと思います。


メルマガ(といっても、コンサート案内など簡単な情報 だけですが(笑))への登録もお待ちしています!

holloween.jpg

ここイタリアでは11月1日が "Tutti Santi" (諸聖人の日) とよばれる祝日でした。 直訳するとすべての(Tutti)、聖人たち(Santi)となるのですが、英語圏ではこの前日がハロウィーンと呼ばれているので、日本でもよく知られていますね。 (と思っていたら、このキリスト教の行事が日本で再認識されるようになったのは、1990年代、映画 "E.T." のヒットによってということらしい。。by Wikipedia)。


(と、ここまで書いてなぜかインターネットに接続できなくなってしまい、、今、やっと復旧しました。 というわけで、以下、続きです。)


仕事や生活の中で、そしてイタリア人の友人たちとの交流を通して、文化や習慣、そしてメンタリティーの違いを感じることがありますが、特に興味深く思うのは "祝日の違い" です。 まず、とにかく 祝日や記念日 がとても多いです。 いつまで経ってもなかなか全部覚えられないので、平日だと思って家を出てから気が付く (あれっ、何だか人出が少ないなぁ?? もしかして、、あっ!(笑)) こともしばしばです。


そして、人口の99%がカトリックと言われているイタリアでは、当然のことながら キリスト教(カトリック)のカレンダー を用いているのですが、これがまたすごい! なんと毎日、つまり全ての日に聖人の名前が付いているのです。 聖フランチェスコだの聖ロレンツォだの、はたまた聖マリアだの聖アンナだのetc... イタリア人は、まさかこれを全部365日分暗記しているのかと思って、友人に "今日は聖誰々の日?" と聞いてみたら、"そんなの覚えてるわけないよ。。" との答え。 少し安心しました。


(日本の暦(和暦)にも、六曜:先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口がありますね。でも、これが取り入れられ、爆発的に流行したのはなんと戦後だそうです。)


オペラのストーリーには "特定の日" が設定されていることがあるので (「トスカ」はナポレオンのマレンゴの戦いがあった6月14日、「道化師」は8月15日(聖母被昇天祭日)etc...)、そんな時は少し "カレンダー" を意識してドラマに入り込んでみるのも面白いかもしれません。 季節感とか、祝祭的な雰囲気などを想像しながら。。。

2008年11月 2日 18:57

猫ちゃんたちと。

cat.jpg

白いほうがニャーゴちゃん、トラ柄のほうがとらちんです。


この2匹、実は親子なのですが、、本人たちはそのことを忘れてしまっているようで、、、じゃれている時にはそうとう威力のある "ネコパンチ" が繰り出されるようです(笑)


とっても可愛かったので、ブログ用に、一緒に写真を撮ってきました。


そう言えば、リニューアル予定のホームページにも、トリエステの海辺で撮ったネコちゃんの写真(やっぱり、可愛かったので!)が、なぜか"私の"ギャラリーにアップされるようです。お楽しみに!